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発達障害 気になる 対応に悩む 個別の配慮 就園 就学
育てにくい 言うことを聞かない 学校に行かない 自分でしない 何を考えているのか
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著 作
これまでに執筆した、保育の領域に関する著書や雑誌を
ご紹介させていただきます
発達障害のこどもを行き詰らせない保育実践
すべてのこどもに通じる理解と対応
2021, 郁洋舎

2021年に、郁洋舎さんが出版をしてくださいました。
発達障害のこどもは、例えば、一対一で話をするとしても、相手の言うことを聞きながら、その意味を考えながら、そのときの自分の感情をくみとりながら、言いたいことを整理しながら、文にしながら、相手に伝わるように話す、など、同時にいくつかのことを行って段取りを立てることがうまくできないようです。そうすると、落ち着いて相手と対応することができませんので、いらいらする、話を聞かない、一方的といった表現にもなります。
このとき、「なぜ、ひとの話を聞かない」「なぜ、相手のことを考えない」と、言われても、「なぜか言えるぐらいなら、話も聞くし、いらいらしない」、これが、こどもの気持ちではないでしょうか。
そして、この「気持ちをひろってくれるおとな」と出会えないと、誰も自分をわかってくれない、責められてばかり、と、自分を、他者を、責める行動が習慣ともなるでしょう。
いくら子育てはやり直せる、自分の人生も変えようと思えば変えられる、などといっても、それを支えてくれるひとがいる、という安心感がないと、生きてはいけません。
保育者は、こどもにとって、まだ始まったばかり人生に、「気持ちをひろってくれるおとな」がいることを伝えるひとだと思います。
保育者が穏やかに保育をすることができるよう、こどもの行動の理解と対応を具体的にお話し、こどもが愛着を育む手立てを記しました。
保育者に向けての本ではありますが、「保育者」を「親」ととらえ、子育てを考えてもらうこともできます。
また、この本で書かれたことは、発達障害のこどもだけではなく、どのこどもにも役立ちます。
ぜひ、お読みください。
げ・ん・き
こどもへの対応に困ったときに読む
エイデル研究所

2019年5月発行の第172号から、執筆を始めさせていただきました。その当時の予定では、2年間ほどの連載で終了するはずでしたが、編集のご厚意で続けさせていただいております。
「幸せ」って、とても簡単な言葉で、でも、大切な言葉で、でも、「幸せ」と尋ねられたら、なかなか「うん」と言えない。
自分の気持ちの状態、身体の健康に、暮らしぶり、生活に必要なものや財産、それらを考えても、今の私は「幸せ」なのか、そうそう「うん」と言えない。
誰かに、今の自分を「幸せ」と思うことが大切だよ、と、示されたとしても、また、ひとと比べずに、自分を「幸せ」と思って生きることが大事なんだ、と、諭されても、よし、私は「幸せ」って、そう自分に言い聞かすことはできない、そう私は思います。
なんだけど、このひとがいてくれると「幸せ」、こちらはどうでしょうか。
このひとと一緒にいると「幸せ」、あのひとはもういないけど、あのときに、一緒に過ごしたことは「幸せ」な思い出。
このひとが一緒にいてくれるから、このひとが近くで支えてくれるから、あのひとがそう教えてくれたから、だから、私は生きていく。私が生きているだけで喜んでくれるひとがいるから。きっと、それでいい、と、もし、いてくれたら、そう言ってくれるだろうから、私は、私が生きていていいんだと思う。
また、あのひとに会いたい、きっと、会える、そう願うから、私は生きる。
「幸せ」って、ひとが与えてくれて、あなた「幸せ」って、言われて、えっ、そうなの、って、思えたら、自分は「幸せ」って、思っていいのかも。
そして、身近なひとが自分は「幸せ」って、思ってくれると、私も「幸せ」。
こどもが、保護者が、同僚が、あなたがいてくれると「幸せ」、なら、私も「幸せ」。そうともに生きることができる保育を、と、願って、まだまだ連載を続ける気持ちでいます。